3ヶ月待ちした本
こんにちは。「さとのまいにち。」にお越しいただき、ありがとうございます。
久々に小説を読みました。
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図書館で予約して3カ月くらい待って、やっと順番まわってきました。
随分前に予約したから、なぜ読みたいと思ったのか思い出せない…
たぶん新聞で書評を読んで興味を持ったのではないかと思います。
もともと、金原ひとみに興味がなくて、著書を一冊も読んだことがありませんでした。
なんとなくやさぐれた人たちが登場してきそうで嫌だなぁ、と。
でもこの本にはそういう人たちは出てきませんでした(ホッ)。
自分と同じ世代の女性が主人公
45歳、出版社労務部に勤務している独身女性が主人公。
端的に言うと…
毎日食べるものまで同じのルーティーンを繰り返す日々を過ごす彼女の人生が、20代の同僚に誘われたあることがきっかけで変わっていく物語、でした。

こうして書くと、なんかありふれた物語な感じですが、面白かったです。
文体がテンポが良くて読みやすいし、全体的に希望があって明るいトーンなので読後感も悪くないです。
ただ、ちょっと展開がご都合主義で漫画的。
登場人物もちょっと「現実にはいないだろう」という浅さがあります。
総評:エンターテイメントとして読むならアリ。
そもそもAudible用に書かれた本だったそうで、音声で聴いたらよかったのかも!
一番すごいと思った箇所は…
不妊治療に関する描写があるのですが、そこがとても上手で(私も経験者なので)、驚きました。
筆者は友だちの不妊治療体験を聞いてそのパートを書いたそうなんですが、人から聞いた話だけでここまでリアルな感情を書けるのは、やっぱり作家なんだなと感心。
その箇所は当時の自分の感情が蘇って、カフェで読んでいたのに涙ぐんでしまいました。
封印していたけど、辛かったなぁ、と。
そしてその時に同じクリニックで仲良くなった治療仲間たちのことも思い出して、なんかまた涙。
それぞれ色々な事情を背負ってがんばっていたけど、みんな今どうしているのかな。
久々の小説は慣れるのに大変でした
それにしても、最近自己啓発本とか、子どもの本を読んだりしていたので、字が大きいものに慣れていたのです。
あとは研究のためにInstagramを毎日リサーチしているので、短文こそ良し!とされる世界にどっぷり。
そんな状況での小説は最初がキツかった!!

1ページ目を開けた時に「え?字が小さい!字が多い!」というのが正直な感想でした…
どれだけ本に対する耐性が衰えてるんでしょうか。
3時間かかって読破。
疲れました。
次は大好きな吉田修一が読みたいのですが、上下巻に分かれた分厚い文庫本を読める読書力がまだ自分にあるか…戦々恐々です。